トラウマによる症状:過覚醒

外傷的な体験(トラウマ)によってできた心の傷は、さまざまな症状を引き起こします。
その一つに過覚醒があります。
心身の「警戒・緊張モード」が続いてしまう状態です。通常ではないことが起きた場合ですから、当然の状態ともいえます。
例えば、大切な用事がある朝、起きて寝坊したことに気が付いた時を思い浮かべてくさだい。眠気は一瞬で吹き飛び、どうしたら間に合うのか手順を考え、動作も普段より素早くなります。そうすることで、朝の支度にかかる時間は短くなり、何とか間に合うこともあるのではないでしょうか。どんなに焦る気持ちがあったとしても、間に合いそうだなとわかると自然に「いつもの自分」に戻っていきます。普段ニュースチェックをする人であれば、いつものように見るでしょうし、音楽を聴く習慣がある人は音楽を聴くでしょう。
外傷的な体験(トラウマ)の場合は、危機的な状況を体験するわけですので、心身は全力が出せるように変化します。このこと自体は自然で、必要なことです。
こころの自然な回復力が上手に働く場合には、徐々に落ち着いていきます。この「徐々に」というのは、症状がおさまってきたように感じたかと思うと、また出てきたり、という波があります。そのため、1週間単位、1ヵ月単位といった、遠くから眺めるような見方でみていただくと良いと思います。
困った症状として実感されるのは、この状態が続いてしまう、あるいは調節できなくなるからです。
半年以上経っても、
・なかなか寝付けない
・イライラして怒りっぽい
・周りのことが気になって集中できない
・リラックスできない
・身体の病気ではないのに、頭痛や腹痛、身体の痛みがとれない
など、さまざまな症状が全くおさまらない、むしろひどくなっているように感じられる場合は、何らかの対処が必要かもしれません。
ご自身の症状について、どのように捉えたらよいか、何らかの対処が必要か、迷われる場合は、一度専門家へのご相談くださればと思います。今のご自身の状態を知ろうとすること自体が、回復に向かう大切な分岐点となります。

