愛着外傷について

2026年 EMDR継続研修、スペイン在住のDebra Wesselmann先生による、EMDR愛着焦点化療法の講義を受けました。Debra先生は、愛着領域の専門家として、世界各地で講演やワークショップを行っており、2013年に放送されたETV特集「トラウマからの解放」にもご出演されています。
トラウマケアは、例えば身体の手術のように、麻酔で眠っている間に処置をする、というものではありません。
当事者である相談者様とセラピストが一緒に取り組む必要があります。
しかし、愛着の問題がある場合、セラピストと”一緒に協力して取り組む”こと自体が難しくなることがあります。
特にEMDRでは、視覚的なイメージや感情、身体感覚として感じられていることについて、経過の途中で、セラピストが尋ねることが多くあります。お聞きした内容を手掛かりに、セラピストは、相談者様の頭の中で何が起きているのか、どのように進んでいるのかを確かめ、必要な介入を行ったり、このまま進むのか別の戦略をとるのかを考えていきます。
何を感じているのか尋ねた時に「わかりません」が続く場合は、セラピストは手掛かりを得られないままになります。
トラウマの問題に取り組みたいと思っている健全な方向へ向かおうとする自分と、回避しようとしてしまう自分、あるいはセラピストから言われたことをそのまま飲みこみたくないと感じる自分、よくわからない不安や恐れが膨らんでしまう自分。まるで両腕を両方から引っ張られているかのような状態です。セラピストが一番苦労する段階かもしれません。
このような時に、どのように理解をし、何から進めていくとよいのか、たくさんの工夫と背景の理論について学ぶ機会となりました。
自分自身のためになることを頭で考えることができるのに、気持ちがついていかなくて行動に移せない、ということがある場合、今の自分の状態をご一緒に整理し理解できるだけで、ずいぶんすっきりするかもしれません。

